実学と基礎学
少し前の話ですが、
先週の月から木まで、
三崎口にある臨海実験所に行ってきました。
先生の授業のお手伝いとして。
問題。
これは、なんでしょう?
みかんのように見えますが、
なんと、
ヒトデの卵巣。
といっても、ヒトデのどこ?って感じですが、
一目瞭然!
なんと、5本の足の中身のほとんどは、
卵巣だそうです。
海中に卵子を放出するので、
大量に必要みたいですが、
原始な動物(この表現は嫌いですが、分かりやすいので)
は、生殖系のウェイトがでかいんだなぁ、
と実感させられました。
先生に、
みかんみたいですね。
と言ったら、
食べてみたら?
と言われ、戸惑っていたら、先生が軽く一口。
いまや研究室で、院生一人となって、
ここで無理とは言えずに、僕も一口。
・・
・・・・
・・・・・・
まずい。
後味が苦い。ずっと口に残る。
次の日、
三崎口の研究室にいる系統学の先生が
きて、その人が言うには、
食べてはいけないヒトデ
だったそうです。
そのせいか、なんのせいか、
東京に帰ってから風邪で寝込み、
ずっと寝込みつつ、就活など行っていたから
まだ、治らず、ブログが停滞していたわけです。
三崎口の先生で、退官なされた先生が遊びに来ていて
うちの先生とお話をしていたのを、
そばで、盗み聞きしていたのですが、
それが、実に興味深い。
今は、実学人気で、基礎学の人気はない。
社会的にも実学優先で、
金にならない基礎をきる傾向にある。
でも、あと、2,30年すれば、必ず基礎の時代が来る。
そういう波はずっとあった。
OO先生(うちの先生)、今は辛抱ですよ。
と言っておられました。
うちの先生は、あと5,6年で退官ですから
辛抱しても仕方ないのですが、
やはり、基礎の価値は大きいんだ。
と安心し、
実学もいつかは行き詰まり、
その行き詰まりの原因は基礎の発展が遅れたからで、
それで、基礎の価値が見直される時代がくるんだなぁ。
と思うと、
今はこういう実学風潮ですが、
少なくとも、基礎研究を行える設備・機構は
残しておかなければならないわけで、
残しておくのは、基礎の先生方の力なのかも
と思ってしまいました。
僕の母校である横浜市大は
バカ田市長の大学改革で、
根こそぎ基礎が排除されようとしています。
大学の仕組み自体が変わり、
基礎をできる環境ごと排除されつつあるみたいです。
壊すのは簡単だけど、新たに、環境を作るのには、
大きな労力が必要。
基礎の時代が来た時にどうしようとしているのでしょうか?
大学は、教育機関であると同時に、研究機関である。
研究は、社会貢献的に、教育と実学があるけれど、
その下支えをしているのは基礎であるのを
忘れないでほしいと思います。
更なる質の高い社会貢献のためには、
基礎は必要だと思うのです。
実学と基礎学の境目なんてあいまいですが、
概念的には、言っていることは分かっていただけるかな?
まぁ、とにかく、三崎口の研究室の人たちは、
女性が多い。
女性が多い、研究室の飲みはこんなに楽しいのか。
基礎さいこー。
とまったく理屈にならないことを思って風邪をひいた
三崎口でした まる
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