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2007年1月27日 (土)

「不都合な真実」

一緒に観に行く人が見つからず、一人で見に来ました。

「不都合な真実」

一人で映画なんて、スターウォーズ特別編EP5以来!

 

上映時間15分前に劇場に入ったら、僕一人。

びっくりしました。

さすがに、後から人が入ってきましたが、

かなりガラガラでした。

なのに、僕の両隣には人がいる!

しかも、男!

不都合な位置取りで、見ることになったわけです。

 

さて、ここまで読んでくださった方々に、

お願いがあります。

ここからの文章を、つたない文章ですが、

必ず、全部読んでください。お願いします。

それは、ぜひ、観に行ってほしいからです。

本当に、オススメです。

観に行こう!と思っていただくために、少し内容は出します。

なので、絶対に観に行く!という方はご注意を。

それ以外の方、読んでみてください。

劇場に行くパワーはない、のなら、

つたない文章ですが、せめて、

この文章を全部読んでいただけたら

と思います。

 

この映画を観る前、この映画は、

ただ温暖化の危機をあおるだけのもの

今までの知識をグラフィック化しただけのもの

なのかもしれない!

と思いながら、観に行きました。

予告編だけを見るとそう感じます。

 

しかし、予告編と本編は全然、質が違います!

 

まず、初めに書いておきたいことは、

この映画で司会を務めている元大統領候補アル=ゴアは、

科学に対して真摯な態度をとっている!

ということです。

ただ、あおるのでなく、

科学的な観測データを基に、

地球上で起こっているとされる現象について、

分かりやすく説明しています。

 

映画とかテレビだと、

出されたデータの信憑性

が気になります。

データの出所は説明してましたが、

その真意は僕には測れません。

あれは、丁寧さの限界なのかなぁーとも思います。

論文ではないので、そこを詳しく言うのも無理なのでしょう。

 

そこの疑問は置いておくにしても、

この映画は、僕の知る中で、温暖化に関して、

一番分かりやすく、説得力のあるものだ

と思います。

 

そういうデータ以外の話で

アル=ゴアが大学の時に、温暖化の可能性を教えられ、

政治家になってから、それを訴えてきたこと。

それに対するアメリカ政府の対応も含めて描かれています。

 

それと、ジョークもかなり効いています

特に、ブッシュにかけたジョークはかなり面白いです。

なので、笑いながらみることができます。

アル=ゴアは話し上手です。

 

僕自身は、高校の時から、環境科学に興味を持ち始め、

その頃、医学部志望から、理学部志望に変えました。

第一志望ではありませんでしたが、環境をやるために、

環境ホルモンで有名な井口先生がいる横浜市大に入りました。

東大の院に移って、研究も宇宙生物にかわり、

また、演劇に没頭する中で、環境意識は前より薄れてきましたが、

一般の人よりは、環境問題に対する知識はあるほうだ

と思っています。

 

この映画をみる前は、

そんなに新しい情報はないだろう!

と思ってみたのですが、

僕が甘かったです!

 

映画の冒頭に、

「問題なのは無知ではなく、

 知っていると思い込むことだ」

というマーク=トウェインの言葉が紹介されましたが、

まさに、その通りです。

 

僕が知らないだけなのかもしれませんが、

僕にとって、新しい情報を少しここで紹介させていただきます。

大きく3コ紹介します。

 

1つ目。

僕は、温暖化は現実問題だと思っていますが、

温暖化はあくまで説である

ということも忘れないようにしています。

僕の中にある温暖化の他の説は、

地球のただの温度サイクル!

ってのがあります。

氷河期と間氷期が自然に移るように、

温度も自然に上げ下げする!

その一環じゃないのか?

と。

しかし、この映画で納得!

過去7回の氷河期と間氷期の温度の変化と

その時期の大気中CO2濃度に、相関がある!

というデータを出してくれました。

 

つまり、氷河期のCO2濃度は低く、

間氷期のCO2濃度は高い!

 

このデータは初めて知ったので、驚きでした。

ただ、

自然はどうやってCO2を上下させてきたのか?

は説明してくれませんでした。

ちょっと気になるところです。

(後で、調べないといけませんね)

でも、今回の焦点はそこではないのです。

過去6回の間氷期でのCO2濃度は、

ほとんど同じ高さであるにもかかわらず、

ここ10年のCO2濃度は、

それらの濃度をはるかに上回っている!

 

つまり、地球のサイクルをぬけた形で、

CO2が上昇しているわけで、

それは、人の力による可能性が大きいってわけです。

 

2つ目。

温暖化でよくいわれる海面上昇についてです。

上昇するにしてもまだまだ先、

自分には影響はない!

と思っていましたが、

そうではなさそう!

 

アル=ゴアは、まず、

海流や気流、気候は、非線形系だ!

と言いました。

非線形!

言葉の範囲も広く、なじみのない言葉ですが、

僕なりに言い換えると、

海流や気流、気候は、カオス理論的に動く!

ってことになるんじゃないかと思います。 

違うかな?分かりやすくもないか。

 

つまり、

あるとき、急に激変する可能性がある系だ!

ってことです。

天気予報が当たらないのは、こういう複雑な系だから!

と言う方がイメージがつくでしょうか?

 

話を海面上昇に戻します。

南極やグリーンランドの氷が溶けるから

海面上昇する ってわけですね。

それらが、時間とともにじわじわ溶ける!

と思うと、まだ、先のこと!

ってことになりますが、

 

そこでさっきの非線形の話です。

それらの氷は時間と共にじわじわ溶けるだけじゃない!

ある小さなきっかけが起きるだけで、

大きな氷が、一ヶ月程度で海に沈む!

らしいです。

南極での一部の地域の話を例に説明してくれました。

 

だんだん他人事ではなくなってきました。

 

3つ目。

これは映画ではあまり触れてくれませんでしたが、

僕が一番心配していることなので、書きます。

ウィルスです。

温暖化で、マラリア媒介蚊の生息範囲が広がり、

日本もその中に入る

って話は聞いたことあると思います。

映画によると、

様々なウィルス媒介動物の生息範囲が拡大する

らしいです。

 

ここからは、僕の心配です。

それは、感染範囲が広がるだけでなく、

もっと厄介な問題を生み出すんじゃないか?

つまりは、

生息範囲が広がることで、

前のところにいなかったけど感染する動物に出会う!

新しい宿主をえることで、

ウィルスの突然変異率があがるんじゃないのか?

そうしたら、

怖いウィルスが出てくる確率があがるんじゃないのか?

と勝手な予想をして心配しています。

 

ただ、今まででさえ、

ウィルス進化のスピード と 医療の発達のスピードは

同じくらいか、ウィルスの方が早かったのに、

更に上がる状況になったらヤバイんじゃないのか?

と本当に心配しています。

 

結構、他人事ではなくなってきました。

 

映画での、僕にとって新らしいのは、これくらいです。

 

最後に、映画との食い違いを!

この映画の中で、

温暖化は事実で理論ではない!

と言っていましたが、

それはどうか?

と思います。

データから見ると温暖化は事実です。

でも、

温暖化のメカニズムはやはり理論であり説です。

 

しかし、

だからこそ、多くの情報を得る必要がある!

のだと思います。

一方向から見たものは、偏りがあるもので、

だからこそ、いろいろな方向から見て、検証する。

可能限りの方向からみても限りがあります。

だから、信じることはできても、断定はできない。

と思っています。

 

だからこそ、この映画を観てください。

情報を得るには、とても素晴らしいツールです。

僕にとっては一番理解が深まったので、

わかりやすくもあると思います。

 

情報を得て、それを理解する。

信じるか、信じないかは、その後だと思います。

知らないで後悔する前に、ぜひ、情報を得てください。

知っていると思わず、貪欲に常に情報を求めてください。

 

さて、温暖化を信じた!としましょう。

その後の問題は、「どうすべきか?」です。

 

この映画でもいっていましたが、

解決方法は、2つ同時にやること。

一つは、個人で出来る配慮!

     これは、個人がやるしかない!

2つ目は、政治家の決断です!

 特に、まず、先進国なのに、環境を無視してるアメリカと中国

 ここの方向転換。

 

 ここまでは映画でいっていました。

 あとは、絶対必要なのは、

 発展途上国への先進国からの支援

 だと、僕は、思います。

 無償で省エネ技術提供とか金とか。

 今まで散々よごしてきた先進国が、やめろ!といって、

 発展国がやめるわけがなく、

 でも、本気でどうにかしたいなら、

 そこのあたりまでやっていかないと!

 って思います。

 そのために、まずは政治家が動くことです。

 そういう政策をとったときに従えることも重要ですね。

 そのために、いい政治家を選ぶことから

 始めなければいけないのかもしれません。

 そして、自らも情報を得る!

 

 この映画を観て、

 あの時、もし、ブッシュでなくて、ゴアが大統領になってたら、

 今頃どうなっていたんだろう?

 と思いました。でも、見ているうちに、

 「もし」なんてない!

 ヒラリーには悪いけど、

 ゴアに、次の大統領になってほしいなぁー

 と思いました。

 案外、この映画がその布石かもしれませんが・・・・

 

 この映画を観て、思い出したもう一つ。

 オゾンホールは解決に向かっている!

 ってこと。

 温暖化も、間に合わないことはない!

 その事実が、その思わせてくれました。

 

この映画の最後で、

なぜか、泣きました。

 

男一人で観に来ていて、しかも、感動物でもなく、

隣にはカップルがいて、

恥ずかしいから、堪えたのですが、

涙が出てきました。

 

そんなに感動的な映像ってわけでもなかったのですが・・・

 

あの涙は、 

環境意識を薄くしていた最近の自分への

ふがいなさだったのかもしれません。

 

長く書きました。

読んでくれた方ありがとうございます。

ぜひ、観に行ってください。

特に、教員の方はぜひ!

そして、子供たちに、正しい情報を伝えてあげてください。

 

これを読んで、きちんとした情報を知るために、

この映画を観に行ってくださることを願っています。

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コメント

ここ10年のCO2濃度が過去の間氷期のそれを上回っているというわりには温度上昇が少ない気がしますねえ。恐竜が生きてた頃はもっと温暖だったと言われてますから。ストーブをつけても部屋が暖まるまで少し時間がかかるのと同じく,温室効果が目に見えて現れてくるにはCO2濃度上昇からすこし時間差があると考えるのが一つの答えでしょうか。あくまで仮説を支持する仮説に過ぎませんが。映画はまだ見ていないけどこの記事を読んで興味を持ちました。ちなみに地球規模の気候変動に関しては日本が世界に誇る「地球シミュレータ」について調べてみるとおもしろい情報が見つかるかもしれません。

投稿: いぬすけ | 2007年1月28日 (日) 14時15分

<いぬすけ
 そうだね。ちょっと説明不足のところも結構あった気がしますが、映画にまとめる上での、限界なのでしょうかね?
 詳しいことは本を見ろなのか???
 少し長くても、もう少し詳しい版とかがあると面白いですね。

投稿: いちよう | 2007年1月29日 (月) 12時41分

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