「赤い指」
川崎へ引っ越して一年ちょっと。
初めて、電車を降り逃し、横浜まで行ってしまいました。
本に没頭していたからです。
東野圭吾「赤い指」
東野圭吾。
気にはなってたし、兄を始めいろんな人に薦められましたが、
まだ一度も読んだことのない作家さんでした。
帰りの電車が暇で、でも、パワーもないので、
漫画か面白い小説に限定される中、
漫画は読む時間の割りにコストが高いので、
とうとう東野圭吾に手を出したわけです。
とはいえ、帰りの電車2回で読み終えました。
会社の昼休みに読み進めたのがまずかった。
おもしろいといつもこれだ。
我慢するけど、先が気になって、
「電車の暇つぶし用」という趣旨がどこかへいってしまう。
というわけで、東野圭吾「赤い指」。
面白かったです。文章自体にはさほど魅力は感じず、
そういうのは川上美映子とかの方がやはり好き。
とはいえ、東野圭吾。物語の引張りが半端ない。
掴みの部分とか、誰でも思いつきそうなストーリーなのに、
完全に掴まれしまいました。
前半の加害者家族の描写がいい。
人間臭すぎて、心汚すぎて、
嫌気が差してくるけど、そこがいい。
そこで完全に掴まれた。
そのせいか、捜査の下りが始まると、
少しだらけた感じを受けてしまいましたが、
結構すぐに、事件の核心に入っていくので、許容範囲。
ちょっと「展開早!」と思いましたが、
このくらいがちょうどいいんでしょうね?
コンパクトにまとめる技術に脱帽です。
ここで「展開早!」とか思ってるから僕の話は長いんだ・・・・
と脱線したので、元に戻す。
オチについては、ちょぴっとネタバレなので、ここから注意。
全然読んだことなかったので、構えがなかったのですが、
普通の推理小説なんですね。
最後のオチの返しはよかったけど、
説明セリフのオンパレード!には、
やはり、ちょっと違和感を感じてしまった。
2回返しですね。それくらいがちょうどいいでしょうか?
最後の伯父を看取るくだりは、なぜか、
まだ生きているネイビーのその時を想像し、
非常に寂しい気持ちになりました。
そうして、電車を降りるのを忘れました。
東野圭吾。
いろんな作品、読んでみようと思います。
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