昨日、宣伝をこき下ろした映画
「シャッターアイランド」
一日経ってみていろいろ考えてみた今でも、
あの宣伝は煽りすぎで、
あのオチはそんなに重要ではなく、
過去のトラウマに苦しむ人間描写を描いた!
と思っていますが、ふと思った。
僕は映画を見ている時に、第一のオチのしょぼさにがっかりし、
その後は、うまく伏線張られるなぁ~程度に適当に見てしまっていた。
もしかしたら、あんなに宣伝してたってことは、
僕が気づいていない衝撃の事実があるのかもしれない。
あの宣伝自体が、思い込みを作る作戦だったのではないのか?
構えさせ、しょぼいオチを見せて、焦点をぼかす。
宣伝マンは「がっかりしてんじゃねーよ。」と高笑いしてるのかも?
考えすぎな気もするけれど、
不可解なシーンもたくさんあったので、
徹底検証してみることにする。
と、その前に、
あんなにこき下ろしたくせに、
知らぬ間にどっぷりと浸かっている自分がいます。
結構いい映画なのかもしれません。
というわけで徹底検証!
ここからかなりのネタバレです。気をつけて。
気になったシーンやセリフをピックアップして、
思いついたアイデアをのせています。
申し訳ありませんが、意見はまとまっていません。
<レオ様の左の額の傷と絆創膏>
始めのシーンから貼ってある絆創膏。
剥がれかけてもなかなか剥がれずに、
最後の方でやっと剥がれてすっきりしてたら、
額に傷口が!
その割りに何の説明もない!
あれは何だったのか?
可能性1 傷口=心の傷
見えてこなかった心の傷が、
徐々に見えてくる様を、
額の傷が徐々に見えてくることで表現。
そんなチンケな伏線だったら嫌なのでボツ。
可能性2 手術の跡
手術の跡になんで絆創膏なのか?
ってツッコミが入りますが、
見ている時は、これが一番あると思ってました。
ロボトミー手術は、
作中では目に刺して?くりぬいて?みたいなこと言ってましたが、
他のサイトでは、「こめかみに小さな穴を開けて」とあったので、
なきにもしもあらず?
ロボトミー手術以外のなにかの処置の可能性も・・・・・
院長が途中説明してた手術派と薬派の話を踏まえると、
一応その両方の治療をやってきましたよって伏線の可能性。
もしくは、
絆創膏をしてるってことは(笑)、
この猿芝居をやる直前に、 何かの処置をした!
作中に頻繁に出てくる「暴力性」についての話。
レオ様がどんどん暴力的になっていく変化を見ると、
薬を盛られていたと同時に、脳に処置をされていたかもしれない。
暴力性を抑える方でなく、進ませる方向に・・・・・・
詳しくないので、可能なのかどうか知りませんが・・・・・・
<水怖い>
当然のごとく、子供の溺死のトラウマ。
そのくせ、
シャワーや豪雨は怖がりません。
灯台に行く時は、海に飛び込み普通に泳ぎます。
チャック愛?
<失くしたライター>
船の上で、レオ様が「ライターを失くした」といい、
チャックが「船の奴らが怪しい」という。
むしろ、船が怪しいだろ・・・・拷問船のような・・・・
その後、タバコはいつもチャックが火をつけ、
レオ様は、暗いC棟で、頑張ってマッチ!マッチ!マッチ!
幻覚レディスもマッチだったし、
何か意味がありそうなのだけど、意味不明。
<船の会話>
気になったのは、妻の死因。
「幸運だったのは、火でなくて煙で死んだこと」
妄想の放火のくせに、細かい描写。
患者レイチェルが消えた時に、
「煙のように」と表現したのとなにか関係があるのか?
「アパートの家事で4人死んだ」
これは子供含めて4人ってことかな?
それとも妻がやった放火で実際4人被害者がいるってこと?
いるなら、ちょっと話変わってくるかも!?
<浮いている映像>
船のシーンや車のシーンが、
異様に浮いている。
金をかけてないだけなのか?
最近技術でこんな違和感も珍しい。
細かく見ろ!と言ってるわりに、これだと、
何か意味があるのか?疑ってみたくなる。
でも、全部幻覚なわけないし、意味不明。
<偏頭痛>
偏頭痛だから光に敏感なんだろうけど、
偏頭痛は元々?
額の傷の所であげた脳への処理の副作用?
それとも、今までの薬療法の副作用?
偏頭痛起せるなんて話、聞いたことないけど、
アスピリンという名の何かの薬を飲ますために、
脳への処理によって偏頭痛にしたか?
元々偏頭痛持ちで、捨て伏線かもしれないけど・・・・
<タバコ・アスピリン>
何か薬を盛られている。
あれは、捨て伏線か本当か?
本当だとしたら、何の薬?
幻覚促進?
個人的は、暴力性増大の薬かなぁ~
レオ様、徐々暴力的になっていくし、
暴力についての話多かったし。
ただ、その狙いは・・・
計画を進めるため?灯台にこさせて発砲させるため?
自分の中の悪魔に気づかせるため?
<院長のこけた頬>
一番始めに院長がでてきたシーンで、
院長の左頬がかけてるように見えたのは、僕だけでしょうか?
気のせいかもしれませんが、「欠けている」としたら、
自殺したナチスのトップの穴の開いた頬の連想かしら?
<RUNおばちゃんのコップ>
「RUN」書いたおばちゃん。
水を飲むときに、手にコップを持ってない。
次のカットは、空のコップを机に置く映像。
次のカットで、コップに水が戻っている。
そもそもRUNおばちゃんが、患者なのか?
患者の振りした看護士なのか不明ですが、
おばちゃんがわざとやったにせよ、水はどうなってる?
そうすると、この一連の行動は幻覚?
「水」はトラウマで重要なので何か意味があるのかもしれない。
考えたけど、全くもって分かりません。
<水爆の話>
C棟の囚人がなぜか水爆の話をします。
たしか、RUNおばちゃんも原爆の話をします。
「内側に爆発させるから大きな爆発になるんだ」
って言ってましたが、
それが心の爆発と似てる!ってことでいいのかな?
<警備長>
やたら、副警備長ばかり出てきて、
なかなか出てこない警備長。
怪しい。怪しすぎる!
「あいつは、元軍人だ」「そうだろうよ」
ってあの会話、意味不明。
そして、
「暴力」と「秩序」の話!
あの話がしたかったから元軍人なのかな?
あの話、物語の根幹に関わってきそうですが、
まだ全体像がつながりません。
<シアトル>
崖の上のレオ様
「ポートランドは寒かったか?」
チャック「シアトルだ」「シアトル」
印象深いシーンですが、意味不明です。
テディやチャックがどこにいた設定だったかも
覚えていないので、さらに意味不明です。
<幻覚の人々>
妻の幻覚
見ている時には、妻が身勝手なことばかり言うので、
こいつは幽霊じゃなくて幻覚か!
ってことで、第一のオチがほぼ確定されるようになりました。
僕の解釈では、
この妻の幻覚は、テディ保身のための幻覚。
レイチェルと名のつく幻覚(娘と洞窟のおばさん)が、
真実に近づけさせたい幻覚。
それぞれがレオ様の葛藤。
レィデスを殺すことで、テディを確立させたい妻幻覚。
ノイス
見てる時にはこいつは幻覚だと思っていたのですが、
テープあるし、実在組なのかしら?
その割りに、結構レオ様に話を合わせてる。
灯台に導くようなセリフは、レオ様の心の声だと思ってしまう。
そして、幻覚妻との、互いを信じろの争い。
テープがなかったら、幻覚組なのに・・・・・
テープには何か裏があり、今でも、
C棟のオリから手がでてくるあたりから幻覚なんじゃないか
と思ってます。
マッチ売りの少女的な・・・・・・
まぁ、ノイスの戻ってきたとかの話がどこまでが本当なのか?
いまいちよく分からないのですが・・・・・
洞窟のおばちゃん
見ている時から幻覚だと思っていましたが、今でも思っています。
一瞬見えたチャックの遺体、洞窟の火も幻覚。
ネズミはどうなんだろう?
そもそもあそこに洞窟はあったのか?
治療や灯台のことを話すのは、真実に近づけさせるため?
<最後のセリフ>
「モンスターのまま、生きるか
善い人のまま、死ぬか」
見たときは、理解できなかったのですが、
考えてみると、
「モンスター」=妻を殺したアンドリュー
「善い人」=トラウマに苦しむが保安官のテディ
ってことなのかな?
つまり、
最後の会話は猿芝居で、
現実は受け入れているが、
死ぬ(手術)ために、テディを演じた。
現実は理解したけど、それでも、
善い人である幻想の中にいたい。
そういう解釈です。そう思うと、
レオ様の選択がなんか悲しくなります。
どこかのレヴューに、
この島シャッターアイランドは、
他の人間とのつながりから隔離された閉ざされた心のメタファー
みたいなことが書かれてありましたが、
そのとおりだと思う。
謎が解けなきゃ島を出れない
から
謎が解けても、島を出ない
自らの意思で、外から心を閉ざすことを選ぶ。
愛する妻を殺した、それを認めたくない男の悲しい選択。
<最後の「テディ」>
最後、シーハン医師が、レオ様のことを、
アンドリューじゃなくて、テディと呼びます。
それは、レオ様がテディに戻ったと思ったからなの?
それなら、ボスっていうはずじゃないのか!
シーハン医師も気づいたんじゃないかと思う。
そして、
善い人でいたい、その選択をしたレオ様の意思を尊重して、
思いやりをこめて、「テディ」と呼んだ気がします。
<最後の灯台>
最後、灯台の映像ですね。
あれって、あそこで手術してるってことですかね?
猿芝居のために、全部片付けたってこと?
っていうか、
別に隠すべき手術じゃないなら、
なんで陸続きじゃない灯台でやるの?
そうすると、
医者のいうことは全部嘘で、
レオ様は本当は暴きに来たのだけど、洗脳された?
って線も見えそうだけど、それは矛盾だらけだからなぁ。
やっぱ、あそこで手術?
あの最後の灯台、不思議です。
長くなりましたが、徹底検証終わりです。
やはり、たいしたオチは出てきませんでした。
暴力についての見解がもうちょっと分かりやすかったら、
全体像がもっとつかめたのかもしれません。
僕の検証不足なのかもしれませんが、
やっぱり、宣伝は煽りすぎで、そういうの気にせず、
人間描写を楽しむ方がいい映画な気がします。
ただ、今回、謎解きの検証して、
人間描写も振り返ることができてよかったです。
勝手な解釈ながら、
結構悲しいお話なんだなぁ~
いまさらジーンとしてきました。
それにしても、ここまで検証したの初かも!
DVDになったら、もう一度見てもいい。
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