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2016年5月19日 (木)

宮下奈都「羊と鋼の森」

宮下奈都さんの小説は確か読んだことなくて、
羊のタイトルで気になってて
評判がよいから買ってみて、
だから、
少し斜に構えた感じで読み始めたのだけど、
とてもいい本でした!

宮下奈都「羊と鋼の森

ピアノの調律師になった男の子が、
調律を学びながら、成長していく物語

ピアノの良し悪しというか、
音楽の良し悪しというか、
芸術が作り出す空間の素敵さと曖昧さ?のようなものを、丁寧に言葉してくれてて、
どんどん心に染み渡ってく感じ。

どことなく、「芝居の空間」に対して個人的に好きな部分と思っているようなものに似通っている部分もあり
一応、演出をしてきているので、それについては、なんども自分の、言葉にしてきているのですが、
僕の表現はなんだか硬く、直球しすぎてたなぁ〜
とか思いつつ、
自分の、大好きな「芝居の空間」について感じてることとかに照らし合わせながら読めたので、
さらに楽しめた気もする。

そこから後半に向けては、
その芸術の空間について言葉にしていた内容のままに、人間の心情が描写されていくような流れだから、
人物たちへの思い入れも増していって、さらに、はまっていく。

感動というか、後半は、ずっと心があったまり、心が一杯な状態で読み進めることができて、読んだ後の満足感は、穏やかに包まれるような感じの作品でした。

読み始めは、言葉のリズムは、僕には、若干硬いような気もしたけれど、
丁寧な言葉の紡ぎで空間が出来上がって、硬さはあまり気にならなくなり、一気に読めてしまった。

新幹線で読んでると、いつも集中力にかけて、途中でやめてしまうことが多いのですが、
途中で休むことなく、一気に読んでしまった。

大切な、親しい人達に、さらには
いつか産まれるかもしれない、自分の子供が大きくなったら
読んでほしいなぁ〜
と思える小説でした。

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