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2016年5月 3日 (火)

川上未映子「あこがれ」

結構前に買ったのだけど、読み終わるまでに結構な時間を費やしてしまった。

川上未映子「あこがれ」

川上未映子の本は、なんだか中身が不思議なんだけど、
音のリズムが好きで、読んでると心が優しく包まれるような空間に入り込めるから好き。

だけども、この本の冒頭は若干不思議すぎて、なかなか入っていけない。
落ち着いたとき

に読もう思っていたら、
先に綿矢りさの本を読み、本谷有希子を読み、いろんなドラマや映画を優先させていたら、
結構な時間が過ぎてしまったわけです。

でも、この話。好きです。
川上未映子の本の中で一番気に入っているいい話でした。

小学生のあまり目立たない男の子のムギ君と
おならをしてしまったら、その匂いが紅茶の匂いがしたことから「ヘガティ」というあだ名をつけられた、こちらもあまり目立たない、映画好きの女の子を中心に、
二人のちょっとした日常とちょっとした成長を描いている物語。

二人は好き同士ではなくて、ただが仲がよく、おしゃべりばかりしてる感じが、
読んでて、中学からの女子の親友との交流を思い出したりしてました。

そんな感じで、繊細な心の動きとかに小学生のころを気持ちを思い出したりできるわけですが、
30代になって、その目線での気持ちで物語が書けて、それを読み手に懐かしく思わせるって、その細やかな心の描写、すごいし、素敵!

冒頭のムギ君の一人遊びが入り込みにくかったけど、76ページくらいまで読んだら、
すっと入り込めた!

同じ世界にいるのに、章が変わると、違う人の目線の描写になりつつ、物語は続いているような構成は、昔から好き(というか、高校の時に思いついて、いつか書きたいと思っている小説がそういう構成)なので、そこもなんだか、楽しめた。

あんまり過去を振り返らないようにしてたら、いろんなことを忘れてしまっていて、
昔感じてた気持ちとか、僕には絶対に描写できなそうなのですが、
なんだか、懐かしい気持ちをいろいろと感じさせてくれる小説でした。

はじめのハードルは高めですが、
落ち着いた時期にぜひ読んでほしい本です。

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