昨年末は、大河ドラマに煽られて戦国史を少し学びなおしてみたりしましたが、
今回は、興味があったけどあまり知らなかった日本の近現代を少し学び直してみました。
というのも、ISの台頭や難民問題からの、昨年のイギリスのEU離脱、そして、トランプ大統領就任など、どんどん世界が混沌としてきていて不安を感じていた中で、
年始に「帰ってきたヒトラー」を見て、ドイツはどのようにあの戦争にはまってしまったのか、そして、今の状況もそんなに大きく変わらないのじゃないか?と思われた時に、
ずっと気になっていた「日本はなぜあの戦争にはまりこんでしまったのか」を学びなおしてみよう、というか、初めて自分から調べてみようと思ったのです。
本当に混沌に入り込んでしまって、同じような流れが来た時に、少しでも抗えるように、自分なりの答えを見つけてみたいな、と。
とはいえ、高校は全学教育主義でしたが、理系だったので、近現代史はほとんど授業を受けていない私…
戦争系の映画はちらほら見たりはしていましたが、あまり深くは理解できておらず。
ということで、戦国史の学びなおしと同じように入門っぽいものから読んでみました。
一つ目は、
だいわ文庫「二時間でおさらいできる日本史 近現代史編」石黒拡親
これは、戦争というよりは、明治政府から現在までの主に、政治や制度の流れなどを簡単に通して読めるので、
時代の流れの全体像を掴むのには便利。
ただ、本当に簡単にさくさく進んでいくので、あまり頭に残らないのですが…
そして、全体像を簡単に掴んだ後の2冊目には、ネットでカチカチと調べ、これを選びました。
平凡社「昭和史 1926-1945」半藤一利
著者は「日本の一番長い日」などを書かれた方のようです。
こちらは、時期はがっつりと日中戦争・太平洋戦争の始まりから終わりまでで、
政治の流れをいれつつ、軍部の動きと、そして、昭和天皇の描写がメインです。
前々から昭和天皇の戦争責任についても考えてはいましたが、昭和天皇の動向の一部を初めて知り、「戦争にならないよう、拡大しないように努力されていたこと」が伝わってくる内容でありました。ただ、やはり、制度の問題はあるしても、何かしらの責任はあるんだろう、とは今でも思いますが、この本をずっと読んだ上での最後に描写された終戦の直線の御前会議での昭和天皇の言葉には涙が浮かんできました。
著者の方の擁護的な描写はあるのかもしれませんが、昭和天皇がそのような姿勢でもなお戦争にはまり込んでしまったことに、むずかしさを感じました。
この本を読んでいて、特に、すっきりしたことは、
「満州イコール中国」という理解で読み進めるのでなくて、
「満州と中国」を分けて考えないと理解しにくいんだなってこと。
1冊目を読んでて曖昧だった部分がこの視点でみたおかげで、少しすっきり!
とはいえ、こちらは昭和からで細かいので、1冊目を読んでなかったから全然ついていけなかっただろうから、この順番でよかったとは思います。
登場人物が多すぎるのと、時間が行ったり来たりするので、一度読んだだけでは全然理解しきれていないのですが、
やっぱり大きな分岐点は二・二六事件だったのかと思う。
教科書も含めてよく取り上げられる事件の割にはその重要度はわかっていなかったのですが、要所の分岐点で悪い方向に向かわせた大きな要因の一つだったのか、自分なりに勝手に納得してしまいました。
それと、「自分の国力を見誤ること」の恐ろしさでしょうか。
著者が「傲慢な無知」と表現していた「過去の栄光にすがり、周りの進歩においていかれているのを知っていながら無視して、過去に固執すること」が、泥沼にはまる要因だったように思えます。
そして、大衆の内心はきっと不安で、不安だから思考停止になり、簡単なプロパガンダにすがりたがる。個人ではそうでなくても流れてしまう。
「日本のここがすごい」というようなTV番組が増えている昨今、今も、ほとんど変わらない気がして、さらに、恐ろしさを感じました。
敗戦の部分で「もう少し降伏が遅れていたら、日本もドイツのように分断されていたかもしれない」と書かれてありましたが、その状況を想像するのが、今から見て「戦争の敗北」を感じる一番近い方法に思えます。
そうなっていたら、今日本はどうなっていたのか、と想像すると、「過去に戦争があって負けたんだ」ということを、なんか一番近く感じたりしました。
この本は、あくまで一つの視点だけど、その視点を通して歴史を見返せることは理解が深まる。他の本も読んでみたいと思うけども、いろんな視点の作品がもっと世に、前にでてほしいなぁと思った。
意見の違いや批判とかもあるんだろうけど、色々な視点の作品がもっと目に触れやすいようになったら、とか、
卑弥呼を何度も教えるように、この戦争も小中高と何度も繰り返し、授業で詳しく教えられれば、「平和が大事」と訴えるだけでなく、「なぜあの戦争に進んだのか」議論がもっとできるような下地ができてくるんじゃないかなと思ったり。
まぁ、広い視野といっても、この情報過多の中で、広く見た」つもりなってしまうことも恐ろしいのかもしれない。
国レベルでもそうだろうけど、個人レベルでも「根拠なき自信過剰」になったら終わり。
さっき日本のテレビのことを少し書きましたが、最近のトランプ氏のニュースを見ていると、日本もそうですが、アメリカが亡国にならないことを願うばかりです。
昭和天皇の記載を初めてちゃんと読んだと書きましたが、
実は、山本五十六も名前は知ってはいたけど、ほとんど知らない状態だったので、こちらもまた、その生き様に感動させてもらえました。
もちろん、1冊だけの情報なので偏ってはいるのですが、山本五十六に関しても、今後、色々な本を読んでいきたいです。
実は、「昭和史」を買ったときに、もう一冊「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」という本を既に買ってあるのですが、まだ手を付けていません。
山本五十六の本も、半藤さんの他の著書も読みたいし、今までみた戦争映画も少し勉強した後だと理解が変わるのでもう一度見直したいんですが、
やるべきことができてしまって、少し後になってしまいそうです、残念。
なんか久々に長い文章になってします。自分のためにも、頭の中をまとめたかったのに、全然まとまりがない・・・
今まで知った気でいた自分がいましたが、読みだしてみると、知らないことだらけだし、もっと知りたいことがたくさん出る。
本当に世界が混沌に入りそうで不安なのですが、そんな時だからこそ、不安感じるだけでなく、色々と広く情報を学べらたなって思います。
とりあえず、やること終わらせて、「失敗の本質」を読みにかかります(笑
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