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2018年3月17日 (土)

ダン・ブラウン「オリジン」

英語版が出てからどれくらいたったか、ずっと待ってた日本語版が知らぬ間に出てて、ばっと買って、ようやく読み終えました!

ダン・ブラウン「オリジン」

ストーリーの展開の流れとかを考えると「サスペンス的な小説」としては「中の上」くらいの印象ですが、
テーマ内容の面白さは「ダヴィンチ・コード」に次ぐ、むしろ、超えるくらいのインパクトと面白さ!

読んでる間に、こんなに色んなことを思い出し、考え直したのは久々の経験で、日本語版出るのを今か今かと待ちわびて、かなり期待して買ったけど、期待した以上に面白い作品でした!

色んな分野が混じった話ではあるけれど、特に、生物学をかじった系の方々、進化に興味がある、知識がある方々には是非とも読んでもらいたい!高校で一緒に生物勉強したて友達とか、大学の学部時代の友人達にはほんとに薦めたくなった!
今、こうしてゆっくりとブログに感想書くのも楽しみな感じも久々で、嬉しい!

無神教の国のせいなのか?日本では他の国より人気なさそうな印象はあるけど、(そのせいで翻訳が後回しにされてるのかもだが…)これは是非とも読んでほしい!


さて、ネタバレの感想です!


カーシュの発見の内容を引っ張りすぎて、というか、じらすぎて、その他のストーリー部分(サスペンス小説的な要素)は、今までよりも単調な感じで魅力は低いけども、やはり、カーシュの発見の内容自体の魅力が強い。

この本を読んで、改めて、
自分が生物学を好きになったのは、動物好きってのもありましたが、一番は「進化」に興味があったからってことを思い出した。(まぁ、研究やめたのは、それに近い研究ができなかったものあったかもしれないけど…)

ダーウィンの進化論自体は、社会的に広い認知はあるけど、自分の理解として、「適者生存の概念」と「遺伝子複製の概念」が結びついて、腑に落ちた瞬間に感じた知的好奇心の満足感を思い出した。

なので、後半のカーシュの発見の内容の描写部分が一番面白かった。
思っていたよりもぶっ飛んだものでなくて、一瞬拍子抜けして、がっつりの科学的な形での描写でびっくりしつつかなり、興味深く読めた。
逆に、科学の素養がない人だと楽しみにくいのかも…とも思ったが…

「ダヴィンチ・コード」はキリスト教の素養がないと楽しめないなと思ったのと同様な感じで。

美術の素養はなくても、読んでてなんとなく楽しめるけど、カーシュの発見部分は、
(浅くても)広めの理系的な素養、特に、生物学とか進化の素養がないと、理解するのに時間がかかり、純粋に楽しみにくいかもなって。
(そうでもなかったら、すいません)
(逆に、進化とかに興味がありそうな友人には是非とも読んで欲しく、ほんとにお薦めしたい!)

しっかりとした素養があるわけじゃないけど、
高校も文理分けなしだったり、大学も専門以外も学ぶ「教養主義」の所に行っていたお陰で、こういう本を楽しめているって思うと、
「教養」ってのは(仕事云々は別にして)色んなことをより楽しめるための土台でもあり、大事なものなんだなって、この本を読めて改めて思って、親や先生たちに感謝の念を抱いたりもしました。

「エントロピーの増大」とか昔ちょっとかじっただけだっけど、理解の助けになったし、初見の内容だったら、もっとイメージしにくかった気もするし。


ドーキンスの「利己的な遺伝子」以上に説得力がある、というか、それを裏付けるような「エネルギー散逸のための進化、その結果の物体の一つであるヒト」

かなり腑に落ちた、新たな進化の概念にゾクゾクした。

ただ、やはり、ヒトに分かる、科学で分かることは世界の一部でしかなく、宗教というものもやはり必要で、なくなることはないように思える。
まぁ、それを「いかに見るか」が、「いかに生きるか」なんだろうけども。
もともと進化論を興味がある、少し離れ目のキリスト教徒なので、宗教観的なインパクトは、思ったより強くなかったけど。

物語の話にもどすと、
後半のサスペンス部分、サイホの正体とか、モンテの正体とかの下りにも、気にはなったけど、そこまで、食いつきの対象ではなかったが、やっぱり少し残念。
アンブラを疑いつつ、前のシリーズは「そんなだったからないな」とか思いながら、ウィンストンは後半あたりから予測の一つではあったので、大きな驚きにはならなかったし…

ただ、最後の方を読んでいるとき、カーシュの発見について、改めて考えてイメージしてみた。
AIとの融合。
部分的な融合ではなく、脳にAIが組み込まれた新たな種族を想像すると、ほんとに今の人間は古代人となるんだろうなぁ〜。
想像できないレベルの可能性の広がり。
すごい!と思いつつ、ちょっと怖い。

テクノロジーに対する見方を改めて見直し、考えるきっかけになったし、
行き詰まりつつあるSF映画のAI物のストーリーも、このカーシュの予言を踏まえたら、新たな創作が生まれ、全く新しい面白い域に達するのではないかとも期待もしたり…ね。
まぁ、カーシュの発見が、最先端技術の方々の中ではもはや当たり前のことなのか、私のように斬新に映るのはのかは、分からないけども。

まぁ、今回は、
宗教、美術だけでなく、物理、生物、AIに至るまでの深い理解に、ただただダンブラウンのすごさを今まで以上に思い知らさせた作品でした。

久々に、ほんとに、色々考えさせられたし、「分かりやすさ」に流されがちだった最近の私にとっては、「考える」ことの楽しみを思い出させてもらえました。

同時に、新たな興味という意味では、チャーチルに心を惹かれた。まずは、近々公開されるだろう映画を観に行きたいと思います。

なんか、まとまりのない感想になってしまいましたが、それだけ、色々刺激されたからかもしれません。

大満足!

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