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2018年5月18日 (金)

辻村深月「かがみの孤城」

ワイフが買ったのに、なぜか私が先に読むことになった。

辻村深月「かがみの孤城」

辻村深月さんの本は読んだことないのだけど、装丁が気に入ったのと、本屋大賞とのことだったので、読んでみることにした。


装丁からの印象で、ストーリー推しのファンタジーかと思っていたら、前半は前半ストーリー展開がない。
「これはストーリー推しじゃなくて、内省描写寄りなのか?」と途中でようやく気がつくも、そう思って読んでいなかったので、なかなかテンポが合わない。

しかも、不登校の中学生の話だから心も重くなる…
忘れかけてた中学生の心境を、こんなに深くよく描けるなぁ〜と感心しつつ、
「どうして自分は不登校にならなかったのか?」とか思いながら、どんどんと心が重くなっていき、読み進められない…

それでも、なんとか読み進め、300ページくらいからようやくストーリー展開スタート!
スタート、という感じで、ほんとに一気にスイッチを入れた感覚の展開。ここまで激しいスイッチは、あまり味わったことなくて、戸惑いつつ、新鮮味があったせいか、今までの反動か、がっと入ってしまい。
あっと言う間に読み終えてしまった。

前半の、思わせぶりな伏線をちゃんと綺麗に回収できていて、かつ、メッセージ性もきちんとストーリーにマッチしてる。
前半の飽きはなんだったんだと思うほど、後半の出来がよくってスッキリする!
ただ、前半は何とかしかったな…
本屋大賞だから面白いはず⁉︎と思って頑張って読んだけど、そうでなきゃ途中で諦めてた…
「なんでこれが本屋大賞?」って何度も思ったし。
でも、後半の質の高さと、良質なファンタジーとストーリーのマッチングを目の当たりにしたら、納得、脱帽といった作品でした!

ファンタジー好き、謎解き小説好きな方には、
前半ゆっくりなのを承知の上でオススメの一冊です!



さて、ここからネタバレです。

300ページ以降の展開がやはりすごい!

ただ、パラレルワールドと聞いた時、それより時間差の方がすれ違い感が出るし良かったなぁ〜と思ってしまう。パラレルワールドだとご都合主義すぎるってのもあるし。

とはいえ、不登校だからこそ、「話題にしない、話し合わない」内容にうまく合わせた設定に、丁寧さを感じる。

それと、ファンタジー好き、童話好きとしては、童話になぞらえてるのが、かなり気に入った!ただ、読んでるとき、「オオカミさま」の本性は赤ずきん以外の童話なのかな?って怪しんだりしてたけど、全然「7匹」の方に頭が回っていなくて、ちょっと悔しい…

とか思って読んでいたら、なんと、パラレルワールドでなくて、時間差だった(笑‼︎
時間差だと思って読んでいた時、この中の誰かが喜多嶋先生で、それはアキなんだと思ってたりもしてて、どうなのかなぁ、なかなか出てこないなぁー
と待っていたら、
「オオカミ様がリオンの姉ちゃん!」という全く予想しなかった展開をぶっこまれて、呆気にとられる。若干む無理やり感があるけど、なんか鳥肌くる展開!
そして、「お城のモデルがドールハウス!」

そういう繋げ方か!しかも、姉ちゃんの死後の技ではなく、生きてる時の技、死ぬ間際の技って!

うまさに呆気にとられて続けていると、
喜多嶋先生とアキが繋がって少しはホッとしたりする。


オオカミ様と喜多嶋先生とも何かつながりがあるかと思っていたのだけど、なかなか見えてこなかったですが、

姉ちゃんの医者からのつながり!…細かい伏線まですごく手が込んでいる。

さっき書いたけど、
前半の、思わせぶりな伏線をちゃんと綺麗に丁寧に回さてて、かつ、メッセージ性がストーリーにマッチしてる。
後半はほんとに面白さとともに、小説としての質の良さを感じさせる一冊でした。

前半の内容も、後半の展開のために、心理描写のために必要なものだし、緩急の振り幅があるからこそ入り込み感も高くなるのかもしれないけど、
やはり、もうちょっと前半に、後半での魅力が欲しかったなぁ〜と、勝手に残念がっております。

世界観やストーリーの繋げ方は好きだったし、なざか「良質さ」を欲してるいる時期だったので、今の私にはちょうどいい作品だったかもしれない。

というわけで、辻村深月さんの他の作品を何作か読んでみたいと思います。
ってか、辻村深月さん、一個上か…

この作品も、若すぎる人には、分からない昔の常識とかあるから十分に楽しめないかもなぁ〜と思うと、少し得した気分になったりもしました(笑)

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