珍しく、本の紹介。
「治療島」
セバスチャン・フィツェック
柏書房
原題は、「Die Therapie」 by Sebastian Fitzek です。
この邦題、一見、つまんなそうな題名ですが、
実に、うまく内容を反映しています。いい翻訳です。
映画の邦題とは、違います・・・・・
さて、ドイツの新人作家の作品らしいです。
とはいえ、ドイツでは、大ヒットしたらしい。
あらすじ
著名な精神科医ヴィクトルの一人娘ヨーズィが、病院の待合室から突然失踪する。
家出か、誘拐か。必死の捜査に関わらず、何の手がかりも見つからない。
生死すら不明のまま4年の歳月が流れ、
ヴィクトルは悲しみ耐えられず、人里離れた孤島に引きこもっている。
とそこへ、統合失調症の幻覚に苦しめられている謎の美女が
彼のカウンセリングを求めてやってくる。
彼女の語る妄想の中にヨーズィそっくの少女が登場し、
娘の失踪に関わっているのでは?と疑うヴィクトル。
同時に、彼の周りでは、奇怪な事件が起きる。
カウンセリングは次第に心理戦の様相を呈し、
謎の女の狂気が乗り移ったかのように、
ヴィクトルは、精神的に極限状態にまで追い詰められていく。
知人に薦められて、読み始めました。
始めは、適当に読んでいたのですが、
半分、読んだくらいからとまらなくなって、
朝の出勤中とか、昼休みとか、
普段は寝ているのに、後の展開が気になって、
読み続けてました。おかげで、仕事中眠かった・・・
こんなにおもしろいと感じたのは、ダヴィンチ=コード以来!
読んでる感じも「次が知りたくてたまらない」ってあたりが、
ダヴィンチ=コードに似ていて、かつ、劣らない。
しかも、この話は、
サスペンス独特の不思議な空間を、
がっちり作っているので、空間に酔う感じで、
さらに、没頭し、楽しめます。
サスペンス的な要素も一級品。
あらすじ読めば分かりますが、
元々、一人は、統合失調症で、妄想あり、幻覚あり、
主人公も精神的に圧迫されているので、
こちらも妄想あり、幻覚ありの可能性があり、
どこまでが妄想なのか?
誰が嘘ついてるのか?
そもそも、こいつはいるのか?
とか「次はどうなんだ?」と予想する時でも、
精神障害を扱っているだけに、
普通のサスペンスよりも広い選択肢が与えられいるので、
その点が楽しいし、おかげで、難しい。
結末のオチも、かなりいい線来てます。
ちょいと飛びすぎ感が否めませんが、
かといって、この手の作品に多い、
つじつまがあわなそうなところが多い
という難点を、見事に克服し、
すっきりと読み終えることができます。
その結末に、納得するかは、読者次第なんでしょうけど・・・・
これは、面白い!
寒くなってきて、手袋をしながら、ページをめくるのは、大変ですが、
ぜひ、読んでください!
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