2023年8月20日 (日)

川上未映子「夏物語」

最近は、一部の作家さんの本しか読まないのだけど、ちゃんと追っているわけではないので、発売された時に、本屋で見ない限りは、買えない状況になってる気がする。

そんなわけでだいぶ前に出ていた本を、ネットニュースで見かけて、読み始めた。

川上未映子「夏物語」

文章のリズムは、やはり好きで、読んでて軽快に感じるが、中身が重い。重いというか、心に直接あたってくるというか、ドーンときて色々考えさられる。

自分に娘ができたり、最近、自分の病気の可能性があったり、身近な人の死があったり、そんなこともあり余計にドーンと来たのかもしれないけど、

最近感じていた色々の、他人の考えを物語を通して言葉になっている物に触れられる

というのは、自分の感触を、改めて言葉にし直すことができて、面白さと共に読み応えを感じた。

女性の感覚という部分は、分かった気にすらなれないものだから、なおさらということもあったかもしれない。

重くて分厚くて、少し読むのに時間かかったけど、読んでよかった作品。

作風は違うのだけど、綿矢りさの作品ばかり読んでるせいか、綿矢りさ作品かと一瞬勘違いしてしまいそうな、なんかぶっとんでる感じも良かった。作品以外の対談とか読まないから分からないけど、書いている方々はぶっ飛んでいそうだなぁと、勝手に思ったり。

家にある川上未映子作品をもう一度の見直そうかなぁと思ったりもした。

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2023年6月23日 (金)

川上未映子「黄色い家」

最近、バタバタしていたのと、Netflixで、アニメやドラマばかりみていて、あまり本を読んでいなかった。

久しぶりにがっつり読んだ。

「黄色い家」

ハードカバーから漂う空気感。そして、冒頭1ページの数行のリズムが美しくて、すぐに空間に吸い込まれる。

かなり入り込んで結構なスピードで読んだと思うけど、なかなか終わらない厚さ。読む前は、「大人が子供たちを監禁して一緒に暮らして…」のよくありがちな話なのかと思ったら、そういう話題を別の角度から見て物語にされていて、読み応えも十分。

文章のリズムはいいけど、全体的に暗い気分になるし、長いし、ってなったのも事実ですが、最後まで読み終えると、重さというよりは、前に進もうと思える前向きさを心の内側から湧き起こしてくれるような気がする、不思議な感覚の読み終わりでした。

若干精神参ってる時期に読んでいたので、深みにはまりそうでしたが、もうすこし自分のメンタルが元気な時にもう一度読んでみたい。

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2021年12月28日 (火)

劇場版 呪術廻戦0

コロナや子育ての関係で、映画館で映画を見る頻度が減っていますが、
今年最後の映画館鑑賞に行ってきました!

劇場版 呪術廻戦0

TOHO日比谷で見ましたが、見に来ている年齢層が若い!
もっとヲタクっぽい客層を想像してましたが、シンエヴァとは全然違いました。

が、

驚きの、乙骨先輩の声、シンジ君!

登場の付近のキャラや設定もまんまシンジ君だし、もうシンジ君にしか見えない!

呪術廻戦はアニメしか見てなくて、前情報なしで見に来たから、かなりの驚きでした。

ストーリー的にもきちんときれいに一つの作品としてまとまっているし、
アクションシーンも緩急を織り交ぜつつ、見ごたえ十分、
ファンサービス的なシーンも多くて、非常に満足の出来栄え!

ある程度期待して見に行ったのに、それを上回る満足で、すごくうれしかったのですが…

 

ここからネタばれです。

 

 

本当にこのキャスティングでよかったの????

すごく楽しめたんだけど、呪術廻戦を楽しんだというより、シンジ君のパラレルワールドを楽しんだという感触の方が強い。


くよくよシーンはまんまシンジ君だけど、結構早くに前向きになってくれる。
「そうそうそう、こういうシンジ君を見たかったんだよ!庵野さん」と勝手にウンウンしながら、見て、ひとりで盛り上がる!
この要素だけでも、あと3回は見れそうな気がする私です。

エヴァ世代より下は、そんなに影響はないかもしれないけれど、
隣で見ていた若い女性も、「声って、エヴァの男の子だよね?逃げちゃだめだ、の感じで、しんじゃだめだって」と言っていて、
気が付いてはいるような感じでして…

逃げちゃダメのパロディも含めて、エヴァファンとしては十分に楽しめたのですが、
呪術の方が比重が重いファンは、純粋に楽しめたのだろうか?原作者はこれでよかったのか、気になるところではあります。

リカも、声優さんは違うけど、感じが「あの花」のメンマを彷彿とさせ、最後の方とかまんまメンマじゃん!って、乙骨先輩がシンジからジンタンに変わりつつあったりますが、ジンタンの方が呪いをかけていたっていう設定のおかげで、全てがきれいに落ちた感じになってすっきりしたラストでした。 

エヴァパロもありますが、ほんとにおもしろかったし、虎杖と乙骨先輩というかシンジが一緒に戦うと思うだけでワクワクするので、
早く本編アニメの続きが見たくなった!ほんとに楽しめる映画でした。

まぁ、映画を見ながら、本編のことをあまり思い出せなかったりした私。

なので、正月の間、復習しようかなぁ。これ見た後の方がもっと楽しめそうだし。

あ、でも、ホバ・フェットも始まるなぁと思った年の瀬でした。

 

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2021年8月11日 (水)

アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』

今回公演の出演者さんがハマっていると聞き、10年前の作品だけど、10周年イベントとかあるらしい気になったので、見てみた、

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』

Netflixで何度かあらすじを読んでは見始めなかった作品だったようで、こうして誰かが気に入ってるとい話でもないと普段見なそうなジャンルのアニメは見ないので、こういう機会は貴重。

少年時代に亡くなってしまった女の子の霊が一人の前に現れて、それを機に、疎遠になってた友人たちが集まり、その幽霊の願いを…

って話し。

このあらすじ、既視感が強い。よくあるストーリーなんだけど、全く似たようなアニメ?舞台?を見たことあるような気がして、思い出せずにモヤモヤ。結局思い出せないけども…

主人公の二人のキャラ設定があまり好みではなくて、「メンマ、7つの大罪のエリザベス?」とか思いながら見ていた。そのかわりに脇役陣は結構気に入って、ストーリーも淡々としながらも、スピード感持って進んでいくので、見やすかった。ストーリー上仕方ないんだけど、回想が多いのはちょっとアレだけど。

鳴子の役の声がどこか聞いたことあるとおもってしらべたら、最近見た「ホリミヤ」の堀さんの声優だった。堀さんが若干気に入っていたのと、鳴子と堀さんでキャラが似てる部分もあり、途中から鳴子推しになったので、純粋な目では見れなくなった(笑

脇役に支えれながら、四日で見たのだけど、最後は、モヤモヤしてた部分も綺麗に回収して、素直に心に入ってきてくれる終わらせ方。

上質なキャラメルボックス(古い)を思い出させる感じで、キャラメル系は苦手だったけど、歳とって許容範囲の広がった自分にも心温まるものがあった。(心の中で、「おぉ!キャラメル」と思った時点でちょっとまだ心、純粋ではないが…)

タイトルの付け方も素敵。

もう少しジーンときたかったけど、見るハードルをあげてたからかな?見終わっておもったのは、子の親になった身からすると、亡くなったメンマの霊やメンマの親への共感が強く持てたらもっと来たかなぁと。そういう意味では、最後のメンマのセリフは共感というか、別の視点でジーンとくるものがあった。もっと遊びたかったよね。うん。

見てて実際泣いたのは、推しの鳴子のシーンではなく、メンマのラストシーンでもなく、ゆきあつがオヤジさんに土下座するシーンでした。(似たような想い出は皆無だけど、成さないのは分かってても、もがく姿、好きなんだろうな、私)。どの作品もだけど、みる人で共感軸はそれぞれなんだろうけど、そのあたり、色んな人が入り込みやすい作品なのかもしれない。

面白いと一気見してしまうのが、悪い癖です。その出演者に他のおすすめとか聞きたいけど、「おお、キャラメル!」とか思った自分に聞く資格はないな(笑)きっとこのブログは読んでないと思いつつ、書いてますが…

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2021年7月14日 (水)

アニメ「ODDTAXI」

11月の公演の客演さんに薦められたので見てみた。

アニメ「ODDTAXI」

冒頭から前半は、物語的な引きも弱く、不思議な雰囲気はありつつも、意味不明なことも多く、緩いゆっくりとした展開。

最近はアニメも早口の作品が好きだったり、一話二話で掴みがないと見るのをやめたりしていたので、何度か挫折しつつも、薦めていたし、30分13話と短いし、もう少し…

と思っていたら、四話あたりで、面白くなってきた。

初めからゆったりしてるから中弛みはなく、後半に向けて、伏線を徐々に回収しつつ、勢いがついてくるので、ハマる。

終盤はきっちりと伏線を回収して、最終話で、すっきりと落とす。

前半の雰囲気からは想像つかないような終盤の終わらせ方。

そのギャップもよいし、きちんと徐々にはまらせる構成もすごい。

見終わった後、スッキリと楽しめたと思える、他人に薦めたくなる作品でした。

とはいえ、いかんせん、前半が耐えられるかのハードルが高い。最近の「初めの分かりやすく掴む」流れとは異なる。キャラ的な魅力で引っ張る感じでもないし。

後半とのギャップが良いから仕方ないけど、自分も挫折しかけたから、そこがちょっともったいなかったり感じもした。

とはいえ、いいもの見た!面白かった!

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2020年11月 5日 (木)

綿矢りさ「私をくいとめて」

発売されていたのを知らず、映画化のニュースを見て存在を知った作品。

既に文庫もでてるらしいが、本棚の綿矢作品はほぼハードカバー。迷った挙句に、ハードカバーを購入。

「私をくいとめて」

おひとりさまが好きな三十代女性が、脳内の語り相手Aと話しながら、他人との関わりを模索していく話。

ストーリーとしての求心力は、ほかの作品より弱かったけど、文章のリズムはよく、落ち着いて淡々と読み進められる。

そんなに大きな展開もないけど、読み終わった後には、

一緒にいてくれる人に感謝し、もっと大切にしなきゃなと自然と心温まる、すっきりとした気持ちになる。いい作品でした。

とはいえ、この映画化にのんと橋本愛?どの役でも年齢層が違う感じするけど…ほんとの歳より若く見えるイメージの女優さんだし。もう少し歳が上の方で映画化した方が、作品の雰囲気に合う気がしてならない。

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2020年3月26日 (木)

アニメ「賭ケグルイ」シーズン1、2

朝ドラ「スカーレット」で気になった松井るかさんが出てるからちょっと見てみた実写版。第一話をアニメ版と見比べてみて、実写版は、迫力のあるシーンの演技に、どうしても、無理を感じてしまい、結局、アニメ版を見ることに。目的はほぼ達成せずに、アニメ版で2シーズン楽しみました。

アニメ「賭ケグルイ」シーズン1、2

アニメ版をみすすめようと思った一番のきっかけは、主役・夢子の声。

あれ?書いたことある声、と思って調べたら、最近まで見ていた「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶの声優さんと同じ!

話し方もそのまんまのは「いいのか?」って思うけど、どこか心に残る声。
声優とかはあまり気にしないので、声と名前が一致してきたのは珍しい。早見沙織さんというらしい。
というわけで、ほぼ、声目当てで見ることに

様々なギャンブルを戦っていく
というだけのストーリー
色んなギャンブルのネタや、必勝法を編み出していくあたりが「ライヤーゲーム」に似ているけど、基本、1話か2話で勝負がついてくれるので、スピード感があって見やすい。

キャラ設定とかはコテコテすぎて疲れる部分はあったのだけど、あっという間に2シーズン24話を見てしまった。

が、シーズン2の終わり方、中途半端すぎてびびる。
続きは気になるが、「鬼滅の刃」よりは気にならないし、声目当てだったのもあり、単行本を買おうとは思わない。そもそも「鬼滅の刃」すら単行本を買ってない。

このアニメに続編が作られるのかどうか分からないけども、可能であれば、忘れないうちに早めに見たい。

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2020年2月 7日 (金)

半藤一利「日露戦争史」

最近あまり本を読んでないなぁと思って何か読もうと決めた。

半藤一利さんの「幕末史」と「昭和史」を、2回ほど読んで、その間が、気になりつつあった矢先、「日露戦争史」がでてるのを発見。

約400ページの3巻物…Amazonでポチッとな。

半藤一利「日露戦争史」

日露戦争のことはほとんど知らなかったのですが、どんどんと読み進められて、あっという間に読み終わってしまった。

内容の重さもあって、なんか長編映画を見た後の達成感。

半藤さんのぼやきの記述がぽろぽろある中で、陸戦、海戦の描写を加速感とともに読み進める

淡々とした文章の中で、こんなにも加速感が生まれるものかと思えるくらい、深く世界に入り込み、自然と頭の中で、見たことのない戦争の映像が流れつづける。

 

太平洋戦争に向けて自信の拠り所となってしまった日露戦争の勝利

まさしく勝利なのですが、ここまで、すさまじい人的な被害、太平洋戦争に劣らずの残酷な戦闘、多く兵士の無残な死があったことは、恥ずかながら初めて知り、自身の無知を実感させられる。

 

昭和史の後に書かれた日露戦争史だけあって、太平洋戦争時と日露戦争時の、政治家や軍人の思考の比較が、ちょくちょく描かれる
自身も昭和史の後に読んでるので、
その比較にウンウンと頷く。
幕末史においては江戸幕府よりの私でしたが、

開国して、新たな近代国家を作り上げた、明治の、政治家の、思慮の深さ、覚悟の凄さをまじまじとかんじる。

太平洋戦争時の政治家のみならず、今の政治家とも比較してしまうと、さらに寂しい気持ちになってしまう。

 

取り止めのない感想になってしまったけど、あっと言うに間に読めたし、読み物として面白く、色々考えさせたられて、いい時間を過ごせました!

 

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2019年9月11日 (水)

本谷有希子「静かに、ねぇ、静かに」

だいぶ前に買ったのだけど、タイミングが合わずに読まずにいた。

本谷有希子「静かに、ねえ、静かに」

 

長編小説だと思ってたら、短編小説だった。短編小説は、アタリにあたるのがなかなかないので、苦手ではあるんだけど、今回は一気に読みきってしまった。アタリってわけではないけど、独特の世界観

 

「本当の旅」

お金の価値観が独特な感じの三人衆のマレーシア旅行の話。主人公を含めたその三人の思考が気持ち悪い…というか、めんどくさくて…とはいえ、今までの本谷作品にでてきた気持ち悪さとはなんか違う。

本谷有希子の中にこの要素がなかったとしたら、この気持ち悪い内省描写を書けるってすごいなぁ…

と勝手に思ったり。

長編だと思って読んでたので、このキャラたちがどう料理されるのか、わくわくしてたら、途中で終わり、短編であることを知り、ちょっと残念。このテイストの本谷有希子の長編を読んでみたい。

「奥さん、犬は大丈夫だよね」

こちらは、本谷パワー全開の人間ぶっ飛び感の怖さ…「本当の旅」に出てきた三人と似た金銭感覚なのにそれを会得してる夫婦と問題かかえる主人公の夫婦。

こちらも気持ち悪くはあるのだけど、本谷有希子っぽいので、なんだか、安心して楽しめる。

「でぶのハッピーバースデー」

これも冒頭から独特の感性全開。ただ、なんか「諦念」って感じが強くて、気持ち悪さはあるのだけど、ワクワク感はない。でも、淡々と進む諦めの感じに、なんだか、引き込まれていく。

 

短編苦手って書いたけど、短編の方が、独特の世界観が強い作品が多い気がする。どんぴしゃのあたりまでなかったけど、久々に濃い空気感を楽しめて、満足!

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2019年7月 5日 (金)

綿矢りさ「生のみ生のままで」

綿矢りさの新刊!上下巻で出ていてびっくりしたけど、即買いしました!

 
綿矢りさ「生のみ生のままで」

男性とお付き合いしていた二人の女性が、偶然の出会いをキッカケに、付き合い始める。

というお話。

なので、バイセクシャルの女性同士の同性愛のお話

同性愛のストーリーのものは漫画とかいくつか読んだことあったけど、バイセクシャルの同性愛のストーリーを読むのは初めてかもしれない。

自分自身はバイセクシャルなんだろうなぁとい感じしてる。肉体関係は、残念ながら?経験はないが、ステキな男性は、素敵だと惹かれることはある。
まぁ、女性と結婚して幸せに暮らしているので、バイよりのヘテロなんだろうなぁとは思う。
って、書いておきながら、他人への好みの多様性は限りなくあるので、
境界線を引くこと、そんなカテゴライズには何の意味もなく、ただ、どう生きるか、どう生きたいかだけの問題なのかと思ってはいるけれど。

思っていたよりストリートとして構成、ストーリーとしての引きが強くて、驚いた。

官能的なくだりは、綺麗な表現だけど結構具体的に書いてあって、少し興奮してしまいそうな文章だっただけに、「電車で読むには向かないなぁ」と思いつつ、「家で読むのもなぁ」と思って、結局電車で読んでいたけど。

ストーリーな部分とか官能的な部分の印象が強かっただけに、今まで好きだった言葉のリズムの心地よさはあんまり印象に残ってないのが少し残念ではあるけど、かなり楽しめた作品でした!

ここからはネタバレ(笑)
 
どこから始まるんだろうというドキドキ
官能的なちょっとした興奮
お互いの彼氏と別れるくだりの重さ

そんなこんなで、あっというまの上巻。
下巻の始めの展開の圧倒感とスピード感はさらにすごい!

そして、そこからの空間の支配感はすごい。
「なんで、上下巻に分けたんだよ!」思ったけど、下巻の支配力は別物!
後半はペースがゆっくりになったけど、主人公が歳を重ねて、若干守りに入りつつ、じゃっかん、若干自分を通すあたり。
人生のステージ的な部分を象徴するような表現は、性別は違うのだけど、なんだかすごく共感してしまって、安心して読めた。

ストーリー的な勢いが弱くなったあたりからその、雰囲気、空間力が強くなり、この本の空間の世界に浸りやすくなっていった。

そして、とてもいい終わり方。

LGBTの方々を差別する気もなく、むしろ、多様性とだけと思ってる私にとって、特別視する必要もないんじゃないかと思ってるくらいなので、
その方々が「権利を認めてほしいと行動すること」が少し不思議に感じることがある。
行動することを否定する気はないし、
理解してもらった方が、色々制度が変わった方が生きやすい部分もあるんだろうし、
まぁ、ほぼヘテロの生活をして満足している私には分からない苦悩は多いのかもしれないけど、「そこまで他人の理解を欲するのかな」と不思議に思ったりする。

そう思ってる私にとって、

前半から薄く感じられつつ、後半から主に繰り広げられるその葛藤の過程の流れからの二人の最終的な答え、二人が選んだ生き方が、一番すっきり受け入れられる終わり方で、穏やかな気持ちで、自然に笑顔になって読み終えられた。


思っていたより、
官能的なシーンの描写やストーリー展開で心の起伏が激しかった作品ではあるけれど、最後は穏やかに綺麗に終わらせる。

ステキな作品だった思う。

綿矢りさが、この時期にこの作品を描いた意図は正直分からないし、多くのが受け入れるような作品という感じもしないけど、私としては、とてもいい作品でした。

でも、この作品は、周りに誰もいないとこで、ゆったりできる時間がある程度あるときに読みたいなぁと思った。そんな時間はあまりないだけに、少し残念ではある(笑)

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